フランスの商習慣 日本との違い、知っておくべきポイント

フランスの商習慣:日本との違い、知っておくべきポイント!

フランスでビジネスを展開する際、知っておくべき商習慣や文化の違いがいくつかあります。フランスでは、ビジネスの進め方や交渉スタイルが日本とは異なり、事前に理解しておくことでスムーズな取引につなげることができます。今日は、フランスの商習慣の特徴を詳しくお話ししようと思います。


1. コミュニケーションスタイル

論理的で直接的な意見交換を重視

フランスでは、ビジネスにおいて論理的かつ直接的なコミュニケーションが求められます。日本のように遠回しな表現や曖昧な言い回しを使うと、相手に意図が伝わりにくくなります。特に交渉の場では、明確な主張をし、根拠をしっかり示すことが重要です。

雑談や社交も重要

一方で、ビジネスの場においても雑談や社交が大切にされます。特に、昼食やディナーを共にする機会は、信頼関係を築くうえで重要な場となります。仕事の話だけでなく、文化やスポーツ、旅行など幅広い話題に対応できるようにすると、良好な関係を築きやすくなります。


2. 商談の進め方

アジェンダと事前準備の重要性

フランスでは、会議や商談の前にジェンダを提示し、目的や議題を明確にしておくことで、スムーズな進行を行うことが求められます。

また、商談の場に入る前にしっかりとした準備をする必要があります。準備というのは、取引条件や取引価格まで予めしっかり決めておくということです。私も経験がありますが、商談の場になると、先方から質問攻撃を受けることがよくあります。これは勿論、限られた時間の中で整合性のとれたディールを行うために必要なステップとなるので、こちらも予め取引条件や取引価格までしっかりと戦略的練られていれば、先方からありとあらゆる質問が飛んできても、また厳しい交渉に入ったとしても、歴然とした応答ができます。

契約社会:口約束よりも文書化を徹底

日本では、信頼関係を重視し、口約束でも取引が進むことがありますが、フランスでは契約が非常に重要視されます。口頭で合意したことも、必ず文書化し、正式な契約書を交わすことが基本です。また、契約内容には細かい条件が含まれることが多いため、しっかりと確認し、必要に応じて弁護士や専門家に相談することをおすすめします。


3. フランスの労働文化と商習慣

ワークライフバランスを尊重

フランスでは、ワークライフバランスが非常に重視されています。例えば、労働時間の厳格な管理があり、多くの企業では週35時間労働制が適用されています。特にバカンス(長期休暇)は重要視され、7月や8月は多くの企業でスタッフが休暇を取るため、ビジネスが停滞することもあります。日本企業がフランスで事業を展開する際には、この休暇文化を理解し、商談やプロジェクトのスケジュールを考慮することが必要です。

意思決定プロセスは時間がかかる

フランスでは、ビジネスの意思決定プロセスが比較的長くなる傾向があります。特に大企業では、社内の合意形成に時間を要するため、すぐに結果を求めるのではなく、長期的な視点で交渉を進めることが求められます。また、トップダウン型ではなく、ボトムアップで決定が進むことが多いため、担当者レベルでの信頼関係構築が重要になります。


4. フランスでの価格交渉のポイント

値引き交渉は一般的

フランスでは、価格交渉が当たり前のように行われます。特にBtoBの取引では、最初に提示された価格から交渉を重ね、双方にとって納得のいく条件を探るのが一般的です。ただし、極端な値引き要求は信頼を損なう可能性があるため、適切な根拠を持って価格設定を行うことが重要です。

品質や付加価値をアピール

フランスの企業は、価格だけでなく、品質やブランド価値を重視する傾向があります。日本企業が持つ高品質な製品やサービスは強みとなるため、単に価格競争に巻き込まれるのではなく、技術力やアフターサービスの充実度など、付加価値をしっかりアピールすることが大切です。


5. フランスのネットワーキングと人脈作り

ビジネスイベントや展示会を活用

フランスでは、業界ごとの展示会やビジネスイベントが頻繁に開催されており、商談の場として活用されています。有名なものでは「Viva Technology(ビバテック)」や「ジャパンエキスポ」などがあり、日本企業がフランス市場に進出する際の重要な機会となります。

LinkedInの活用が一般的

フランスでは、ビジネスネットワークの構築においてLinkedInが広く活用されています。名刺交換だけでなく、商談後にLinkedInでつながることで、継続的な関係を築くことができます。メールよりも気軽にコンタクトを取れるため、フランスのビジネスパーソンとの関係を深める手段として活用しましょう。

以上、フランスの商習慣を私なりの視点でまとめてみました。フランスの商習慣は日本のものと異なる事がいろいろとありますが、フランスでのビジネスをスムーズに進めるためには、これらのポイントを参考にしていただければ幸いです。

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